・Neurotoxicologyの講義でチョコの話題が出たり、昨日チョコがらみの話題を書いた流れで、ついでにチョコに関する雑想をあれこれ。
・高級チョコ = Godiva
だったのはもう昔話か、ふと気付いたら東京のチョコレートショップ事情はとんでもないことになってますね。"ギブミーチョコレート"世代の方々も、まさかこのレヴェルで供給される日が来るとは思わなかったことでしょう。
・海外組だけでもJean-Paul Hevin 、La Maison du
Chocolat 、Richart 、Pascal Caffet 、Pierre Marcolini 、Del Rey 、Pierre Ledent 、Wittamer 、Debailleul 、Oriol
Balaguer 、etc...。アメリカでは買えないものもたくさん。逆にこっちにあって日本では買えないブランドだったNoKA、東京Midtownに出来てました 。
・国内組もTheobroma をはじめ、Chocolat Bel Amer 、Bvlgari (ショコラティエは日本人な模様)、Le Chocolat de H 、Origine
Cacao 、Palet d'Or 、Le Chocolatier Takagi 、etc...。
・また、2003年から東京でも"チョコの祭典"ことSalon du
Chocolatが開かれるようになっていたりと、このジャンルの好調振りが伺えます。近年の消費者動向の変化、"超低価格志向"→"高品質志向"の流れに最も上手に乗った業界なのかもしれません
(どーでもいいですが、このタイミングってまさに"2003年問題"が空振りに終わり、皆が"あれ、実はもう不況終わってね?"って思い始めたあたりですね。その"問題"の主役となった大規模再開発地区に最低一つは人気チョコレートショップが出店してるあたり、なんだか興味深い関連性が垣間見えてる気がします)。
・どんどんどーでもいいことが頭に浮かんでくるので、そのまま書いてきます。
・先日このblogでも触れた"Theobroma" 、国内有数のチョコレートショップにして、カカオの属名(カカオの学名はTheobroma
cacao )。ギリシャ語でTheoは神々、bromaは食べ物を意味し、名付け親はあのC.リンネさんです。
・で、このカカオには2つほど"恋愛物質"扱いされてるモノが含まれておりまして、そのうちの一つがTheobromine(テオブロミン)。名前の由来丸分かりなこの物質、強心作用(≒胸がドキドキ)や、体温上昇などの覚醒作用を引き起こすので、それが恋する感覚に似てるんだそうな。
・あともう一つが、Phenylethylamine(フェニルエチルアミン)。PEAとも略されるこの物質は、構造がアッパー系の麻薬なんかと似ていて、実際に脳内快楽物質であるDopamine(ドーパミン)のレヴェルを上げる働きもあるため、恋愛中の陶酔感を髣髴とさせる模様。ただし 、PEAは食べても脳に届く前に分解されてしまうので、チョコに入っていてもあんまり意味が無いです。
・恋愛とは関係なくなりますが、ついでなんでもう一つ食べても意味が無いチョコ製品を上げておきます。それはGABA配合チョコレート。GABAという物質は脳内で作られると鎮静作用があるんですが、食べても脳には届きません。脳を守るためのBlood
Brain Barrierというバリアを突破できないからです。
・"PEA配合で恋愛がどーのこーの"、"GABA含有でリラックスうんぬん"、なんてエセ科学にだまされないよう、ご注意を。
・もう一つ、しょーもない話を書いて、試験からの逃避を切り上げたいと思います。前々からこの話題はどこまでが常識の範囲内なのか、はかりかねていたものです。
・高級チョコの代名詞(?)、Godiva(こっちだとゴダーイヴァって発音されたり)。そのGodivaの由来はLady
Godiva(ゴダイヴァ夫人)というイギリスの伝説的女性。
・Lady
Godivaは11世紀のEngland、Coventry領主Leofricの妻。夫の課す重税に苦しむ領民を見かねた彼女は、減税をするよう申し入れます。それに対し夫Leofricは"お前が全裸で馬に乗り、街を一蹴したら考えてやろう"と無理難題を吹っかけたのです。
・これで諦めるだろうと考えていたLeofricでしたが、夫人は領民にその様を見ないようお触れを出した上で、本当に実行してしまいます。"慎ましやかなことで知られていたあのお方が、我々の為に羞恥に耐えてくださる。ならばせめて、その姿を見ないでいて差し上げよう"、Lady
Godivaの自己犠牲の精神に胸を打たれた民衆は、言いつけを守り家に閉じこもっていたそうな。
・夫Leofricもこれに感銘を受け、約束どおり領民を重税から解放しました。めでたしめでたし…。 そして時は流れて20世紀初頭、このお話を好きだったベルギーのチョコレート屋夫妻が、勇気ある女性の名を冠したブランドを立ち上げたのだとか。
・実はこの伝説の中で一人だけLady
Godivaの言いつけを守らず、その姿を覗き見した不届きな輩が。それが仕立て屋のTomと言う男、彼は結果神罰を受け失明し、後世にPeeping
Tom(英語で覗き魔の事)の語源になるという不名誉を残したのであった…。
・ま、そんなわけでGodivaのチョコの箱には、馬に乗った女性のロゴが記されてるわけなのですよ、と。いやー、"目がー!、目がー!"とか言いながらのた打ち回ってる仕立て屋のロゴじゃなくてホントに良かった。
・とゆーか、後数時間で試験が始まるのになにやってるんでしょう、自分。うわー。
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